「些細なことでカッとなり、怒鳴ってしまう」
「家族や身近な人にだけ、感情をぶつけてしまう」
「落ち着いたあとで後悔するのに、何度も繰り返してしまう」
このような「大人の癇癪」に悩んでいる方は、決して少なくありません。
感情を抑えられない状態が続くと、本人だけでなく、家族や周囲の方も疲弊してしまいます。
大切なのは、単なる性格や我慢不足と決めつけず、怒りの背景にある心身の状態や生活環境に目を向けることです。
大人の癇癪とは?「癇癪」は医学的な診断名ではありません
癇癪は医学的な診断名ではなく、一般的には、怒りを抑えられず、怒鳴る、物に当たる、攻撃的な言葉を使うといった行動が表れる状態を指します。
怒りそのものは、誰にでも起こる自然な感情です。
「嫌だった」「傷ついた」「限界が近い」と知らせるサインでもあります。
問題となるのは、怒りを感じることではなく、自分や他人を傷つける行動につながったり、家庭・職場などでの生活に支障が生じたりしている場合です。
感情をコントロールできない背景にあるもの
大人の癇癪には、さまざまな要因が関係しています。
たとえば、睡眠不足、疲労、空腹、体調不良、仕事や人間関係のストレスが重なると、普段なら受け流せることにも強く反応しやすくなります。
イライラや怒りっぽさはストレスのサインの一つなのです。
また、ASD(自閉スペクトラム症)のある方では、予定の変更や強い音・光などの刺激が負担になり、そのストレスから癇癪が出ることがあります。
ADHD(注意欠如多動症)のある方では、衝動的に怒りの反応してしまうことがあります。
ただし、「癇癪があるから発達障害」とは限りません。
うつ病、不安、トラウマ、生活環境などが影響している可能性もあるため、自己判断だけで原因を決めつけないことが大切です。
怒りが爆発しそうなときにできる対処法
怒りが高まっている最中に、無理に原因を分析することは困難です。
まずは次のような方法で、行動に移すまでの時間をつくりましょう。
その場から一度離れる
可能であれば「少し落ち着いてから話したい」と伝え、安全な場所へ移動します。
話し合いを放棄するのではなく、落ち着いて話すための時間を確保する方法です。
呼吸をゆっくり整える
息を吸うことより、ゆっくり吐くことを意識します。
水を飲む、手を洗う、静かな場所へ移動するなど、自分が落ち着きやすい行動を決めておくのもよいでしょう。
怒りの強さを数字にする
現在の怒りを「10段階なら7くらい」と表すことで、感情を少し離れた位置から捉えやすくなります。
落ち着いたあとは、怒りが起きた時間、直前の出来事、睡眠や体調、そのとき考えたことを記録してみましょう。
繰り返すうちに「予定変更が続くとつらい」「疲れている夕方に反応しやすい」など、自分のパターンが見えてくることがあります。
家族や周囲の方も無理をしないことが大切です
癇癪が起きている最中は、正論で説得したり、強く言い返したりすると、状況がさらに激しくなることがあります。
まずは距離を取り、お互いの安全を優先してください。
本人の苦しさを理解することと、暴言や暴力を我慢し続けることは別です。
落ち着いているときに「怒鳴られたときは別室へ移動する」など、対応を話し合っておきましょう。
また危害を加えられるおそれがある場合や、自傷・他害の危険が迫っている場合は、その場だけで解決しようとせず、警察・救急や専門機関へ相談してください。
大人の癇癪は精神科訪問看護や自立訓練にも相談できます
「病院ではうまく状況を説明できない」「自宅での様子も含めて相談したい」という方には、精神科訪問看護も選択肢になります。
ほっとナビ訪問看護ステーションでは、主治医の指示のもと、看護師や精神保健福祉士などがご自宅まで訪問します。
生活リズム、睡眠、服薬、ストレス、人間関係などを一緒に振り返り、必要に応じて医療機関や福祉サービスと連携します。
詳しくは下記のリンクからホームページをご覧ください。
また、大阪・天王寺のほっとナビチャレンジでは、自立訓練(生活訓練)を通して、感情の伝え方、コミュニケーション、ストレスへの対処、生活リズムなどを、自分のペースで練習できます。
怒りを我慢し続けることだけが解決ではありません。
「どのようなときに苦しくなるのか」「どうすれば爆発する前に気づけるのか」を、支援者と一緒に探すことができます。
こちらも詳しくは下記のリンクからほっとナビチャレンジ公式サイトをご覧ください。
大人の癇癪に本人やご家族だけで悩んでいる方は、どうぞお気軽にほっとナビへご相談ください。
※本記事は一般的な情報を紹介するものであり、診断や治療に代わるものではありません。

