夏休みは、子どもにとって学校生活から離れ、自分のペースで過ごせる楽しい期間です。
一方で、発達障害のある子どものご家庭では、
- 宿題を後回しにしてゲームばかりしている
- 夜遅くまで起きて昼夜逆転している
- 対戦ゲームに負けると激しく怒る
といった困りごとを感じることがあります。
こうした行動は、単なる怠けやわがままと決めつけられるものではありません。
発達特性に加え、学校が休みになって生活リズムが変化することや、家庭で過ごす時間が長くなることなど、さまざまな要因が影響している場合があります。
発達障害のある子どもは夏休みの計画が苦手なこともあります
発達障害のある子どもの中には、予定を立てる、優先順位を決める、時間を見通す、気持ちを切り替えるといった「実行機能」に苦手さがみられる場合があります。
そのため、「午前中に宿題をしてから遊ぼう」と頭では理解していても、目の前にゲームや動画など興味のあるものがあると、そちらを優先してしまうことがあります。
「どうして約束を守れないの」「やる気がない」と叱るだけでは、本人にとって失敗体験が積み重なってしまうこともあります。
ご家庭で取り入れられる工夫の一つとして、宿題を「午前中に全部終わらせる」ではなく、「朝食後に計算問題を3問する」など、小さな行動に分けて取り組みやすくする方法があります。お子さまによって取り組みやすい方法は異なるため、無理のない範囲で試してみることも一つの方法です。
ゲームや動画で生活リズムが乱れやすくなることもあります
夏休みは登校時間という基準がなくなるため、就寝・起床時間が少しずつ遅くなりやすい時期です。
ゲームや動画は区切りをつけにくく、夢中になってしまうことで、眠るタイミングを逃してしまうこともあります。
こうした生活が続くと、睡眠不足や生活リズムの乱れにつながる場合があります。
また、休日に昼近くまで寝る生活が続くと体内時計が後ろへずれ、新学期に朝起きることが難しくなることもあります。
生活リズムを整える工夫の一つとして、就寝時間だけを急に早めようとするのではなく、まずは起床時間を大きく変えないよう意識する方法があります。
起床後にカーテンを開けて朝の光を浴びる、朝食をとる、暑さに配慮しながら日中に身体を動かす時間をつくるなどの工夫が、生活リズムを整えるきっかけになる場合があります。
対戦ゲームで怒りが強くなるのはなぜ?
対戦ゲームでは、勝敗や順位が明確に示されます。
負けた悔しさや思いどおりにならない展開、オンライン上でのやり取りなどが重なると、感情を整理したり切り替えたりすることに難しさのある子どもは、強い怒りを表現することがあります。
また、長時間のゲームによる疲れや睡眠不足が重なることで、普段よりイライラしやすくなる場合もあります。
ゲームとの付き合い方は、お子さまによって適した方法が異なります。
ご家庭でできる工夫として、「30分〜1時間ごとに休憩する」「気持ちが高ぶったら一度ゲームから離れて水分補給をする」など、具体的なルールをお子さまと一緒に考えてみることも一つの方法です。
夏休みに家庭でできる生活リズムの工夫
予定を言葉だけで伝えるのではなく、ホワイトボードやチェック表などを活用して、予定を目に見える形にすると取り組みやすくなるお子さまもいます。
「宿題」「ゲーム」「入浴」など、その日の予定を並べ、終わったら本人が印をつけられるようにすると、次に何をするか分かりやすくなることがあります。
また、「朝起きられた」「約束した時間にゲームを終えられた」など、できた行動を具体的に伝えて認める声かけは、自信や意欲につながる場合があります。
最初から完璧な生活を目指す必要はありません。
夏休み中に生活リズムが乱れてしまった場合でも、新学期が始まる1週間ほど前から少しずつ学校生活のリズムへ近づけていくことも一つの方法です。
夏休みの困りごとは精神科訪問看護にも相談できます
精神科訪問看護では、看護師などがご家庭を訪問し、お子さまの生活リズムや睡眠、感情の変化、ゲームとの付き合い方などについて、ご本人やご家族と一緒に整理していきます。
実際の生活環境を確認しながら、お子さまやご家庭の状況に合わせて予定表の工夫や保護者さまの声かけ、医療機関や学校、福祉サービスとの連携などを一緒に考えることも支援の一つです。
昼夜逆転が続いて新学期の登校が難しそうな場合や、ゲームをやめる際に暴言や暴力がみられる場合、食事や入浴など日常生活への影響が大きい場合には、ご家庭だけで抱え込まず、早めに主治医や支援機関へ相談することも大切です。
夏休みの生活の乱れは、ご本人や保護者の努力不足だけで起こるものではありません。
お子さま一人ひとりの発達特性や生活環境に合わせて、無理のない工夫を積み重ねることで、生活リズムが整いやすくなったり、安心して夏休みを過ごせたりすることがあります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。発達特性や困りごとの背景は一人ひとり異なります。対応に迷う場合や生活への影響が大きい場合は、主治医や支援機関へご相談ください。
お子さまの生活やご家族のお悩みを、ほっとナビにご相談ください
ほっとナビ訪問看護ステーションでは、精神科訪問看護を通じて、お子さまの生活リズムや睡眠、感情のコントロール、学校生活への不安などについて、ご本人とご家族に寄り添った支援を行っています。
「夏休みになって昼夜逆転してしまった」「ゲームをめぐる親子の衝突が増えた」「新学期に向けて生活を整えられるか不安」といったお悩みも、ご家庭だけで抱え込む必要はありません。
実際の生活環境やお子さまの特性を踏まえながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。
サービス内容やご利用について、詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
発達特性のある方や、社会生活・日常生活に不安を抱える方に向けた自立訓練については、ほっとナビチャレンジでもご相談を受け付けています。

