訪問看護は、利用者さまのご自宅が“職場”になるお仕事です。
そのため、看護師としての知識や技術だけでなく、マナー・服装・言葉遣い・持ち物といった「人としての振る舞い」が信頼関係を築く鍵になります。
今回は、精神科訪問看護の現場で大切にされている基本のマナーをまとめました。
是非、精神科・訪問看護未経験の方の最初の「なるほど!」になれば幸いです。

服装と身だしなみ

第一印象は、利用者さまの安心感に直結します。
清潔感を最優先に、シンプルで落ち着いた服装を心がけましょう。
事業所指定の制服がある場合はそれを着用し、髪は長ければまとめて顔まわりをすっきりとさせて清潔感を大切にします。

ほっとナビでは制服を貸与いたしますので、そちらを着用していただくことになりますが、利用者さまから「訪問看護師とわからない格好で来てほしい」と希望を受ける場合があります。
その時は上着を羽織るなどして、ぱっと見で訪問看護師だとはわからないようにしたりもします。

そのほか、看護中に怪我を誘発しないように爪は短く切り、ネイル・アクセサリー・香水は控えます。
精神科の利用者さまの中には、感覚過敏やこだわりを持つ方も多いため、柔軟剤や香料の強い香りを避けることも大切です。
また、電動自転車で訪問する場合も含め、季節ごとの温度差に備えて、カーディガンやレインウェアを常備しておくと安心です。
ほっとナビでは、夏季は酷暑の中での訪問に備え、熱中症予防対策として、ドリンクや飴、ネックファン、送風機付きの上着などの対策グッズを支給しています。

すべてのシーズン・すべての利用者さまに対して、「清潔・機能的・控えめ」が基本の三原則です。

訪問バッグの中身をご紹介!

訪問看護師のバッグは、いわば“移動するナースステーション”。
利用者さまに合わせた柔軟な対応ができるよう、必要なものを整理して持ち歩きます。

基本セットとしては、

  • バイタルセット(体温計・血圧計・パルスオキシメータ・聴診器)
  • アルコール綿、手指消毒剤、使い捨て手袋、飛沫対策用メガネ
  • マスクの予備
  • 記録用のスマートフォン、ノートや筆記具
  • 名刺、事業所の連絡カードやリーフレットなどの資料

さらに、精神科訪問看護特有のアイテムとして、

  • ご家族や支援者との情報共有メモ
  • 緊急連絡先の一覧(事業所・主治医・ご家族)
  • ご本人が安心できる定型的なルーティン用チェックリスト
  • お薬をきちんと飲めるように補助するアイテム(服薬カレンダーなど) などを携帯することもあります。

利用者さまの前でバッグを開ける際は、私物やゴミが混ざっていないかを確認し、清潔感を保つことが重要です。
また、取り出す順番を一定にすることで、利用者さまも「ああ、自分の体調もいつも通りなんだ」と安心できます。

言葉遣いとコミュニケーション

精神科訪問看護では、相手の世界を尊重する姿勢が求められます。
「〜してください」よりも「〜してみましょうか」「どうされたいですか?」など、利用者さまから見て能動的な選択肢を提示する言葉遣いを心がけましょう。

また、病名や症状について過剰に触れず、雑談を交えながら自然な会話をすることも大切です。
声のトーンはやや穏やかに、ゆっくりと、落ち着いたスピードで聞き取りやすく、わかりやすいように話します。
専門用語や略語を避け、「〇〇のお薬、いつも通り飲めましたか?」など、日常会話に近い表現を使うと伝わりやすくなります。

ご家族への対応も同様に、敬意と配慮を持って接します。
「お忙しいところ、ありがとうございます」「お変わりありませんか」「お疲れでしたら、訪問中は息抜きしてくださいね」といった一言が、信頼を育てます。

訪問時の立ち居振る舞い

ご自宅に伺う際は、玄関で「おじゃまいたします」と一言添えて入室します。
靴をそろえる・上がる前に声をかける・私物に不用意に触れない、といった基本的な礼儀を守りましょう。
また、訪問時間を守ることもマナーの一つ。 万が一遅れる場合は、必ず事前に連絡を入れます。

訪問終了時には、「本日もありがとうございました」「また来週お伺いしますね」と、次回へのつながりを感じさせる言葉で締めくくると印象が良くなります。
これらの積み重ねが「安心して迎え入れられる看護師」につながります。

まとめ

訪問看護のマナーは、特別なものではなく「思いやりの表現」です。
服装や言葉遣い、持ち物の一つひとつが、利用者さまやご家族の安心感を支えています。

また訪問先では、常に“見られている”意識を持つことが大切です。
利用者さまやご家族だけでなく、近隣の方々も看護師の言葉や態度から「訪問看護の印象」を受け取ります。
そのため、立ち居振る舞いは単なるマナーではなく、ステーションや事業所全体、ひいては「訪問看護」の信頼をつくる行動でもあります。
自分の対応=事業所の印象」という意識を持つことで、より丁寧で誠実な看護につながります。

ほっとナビ訪問看護ステーションでは、こうしたマナーを大切にしながら、一人ひとりの生活に寄り添う精神科訪問看護を行っています。
経験者の方はもちろん、ブランクのある方や訪問が初めての方も安心して働ける環境を整えています。


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